2009年7月20日月曜日

パーソナルスペースなどが活かされた環境デザイン事例は?

「人と人の関わりにおいて距離やパーソナルスペースが関係していることを学び
ました。それが、どのように環境デザインに応用されているのか知りたいです。」
授業も終わりに近づいた先頃、こういう趣旨の書き込みをもらいました。

人と人の関わりを考慮するのは建築設計の常であるから、取り立てて言うほどの
ことはない。どこでも考慮されているという意見もあるでしょう。しかし、オズ
モンドとソマーが病院の待合を改良したとき、それは会話を促進するようには
なっていなかったのです。待合いの時間を楽しく過ごしてもらうにはどうしたら
いいか、という気づきがなければ、ただ椅子を並べただけになるということで
しょう。
 
さて、そうは言っても、取り立てて言うほどの事例がどれほどあるのか...。
私が思いつくのは茶室です。2畳ほどの極めて狭い空間に豊臣秀吉を招き入れた
利休は、その空間では対等な、もしくは自分の方が優位に感じていたかも知れま
せん。あえてパーソナルスペースの内側に入らざるを得ない状況を作り出したこ
とが、そういった人間関係の場面を生んだと考えられるように思います。
もっとも、それを秀吉が許せなかったから切腹させられたのかもしれませんが。
今春、京都の山崎まで行く機会があったのですが、『待庵』は訪れずじまいでし
た。中に入れないのなら、意味がないかと思って。
 
少し話題がずれました。
その他の事例についてはコメントで書き込んでいただけるとありがたいです。私
も思いつけば追加コメントしたいと思います。